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財政再建重視??黒田総裁と安倍総理の同床異夢。

アベノミクスは実際はクロダノミクスだ、なんて声が聞かれたのはいつの日のことだったのでしょうか。

鳴り物入りで始まったアベノミクス日経平均2万超えを実現し、今やその成否を疑う声は小さくなりつつありますが、フタを開けてみるとやはり、クロダノミクス。金融政策以外に見るべき点は殆どないように思われます。「金融政策で日本経済の底上げをしている間に成長戦略を」それが含意だったはずなのですが、結局のところ、金融政策による円安・株高に胡坐をかいて、肝心の成長戦略はイマイチ。そして、当初から懸念されていたことですが、財政健全化には後退がみられるようです。

 

日銀の資産買い入れが財政ファイナンスであると受け止められないためには、財政健全化を図り、速やかに金融緩和への出口へのロードマップを示すことが必要なところ、中央銀行の資産買い入れによる長期金利低下に胡坐をかいて、財政健全化への真剣みは日々失われているように懸念されます。

 

そんな政府の後手に回る財政再建を懸念してか、2月の経済財政諮問会議では、黒田総裁は安倍総理に直接進言したとのこと。歳出削減の機運に乏しい政府に対応を迫る格好となりました。成長率が3%に達しても、20年度の基礎収支は9.4兆円の赤字になるとのことで、日本の債務削減の道筋は極めて不透明になっています。

 

政府からは、債務はGDPで発散していけばいいとの声が聞かれますが、実際には、成長率より金利が低い今であるから言えることであって、いざ金利が成長率を上回る局面となれば、日本の国家債務は際限なく膨らむことになり、二度と財政健全化を図れなくなることはいうまでもありません。

 

外野から見ると、安倍総理はもはや財政健全化なんてポーズをとっているだけで、実際にはやる気ないんだろうな、としか思えないです。いざとなったら、インフレ税で強制徴収しそうですしね。きちんと将来のことを考える人は、資産の分散投資や自己投資などで切り抜ける方法を考えていく必要があるのではないでしょうか。